祖母谷への白馬線、唐松線周回縦走

唐松岳頂上山荘への最後の登り

日時:2024年10月12日(土)~14日(月) メンバー:K田、B府

【行程】
・10月11日(金)道の駅白馬 前泊(車中泊)
・10月12日(土)5:30黒菱平駐車場~7:30八方池~10:00唐松岳~14:00天狗ノ頭~14:30天狗山荘(幕)
・10月13日(日)6:30白馬鑓ヶ岳~10:40清水岳~12:15不帰岳避難小屋~17:00祖母谷温泉(幕)
・10月14日(月)7:00南越峠~10:30餓鬼山~16:15唐松岳頂上山荘~18:30八方池~20:20黒菱平駐車場

今シーズの目標だった祖母谷への白馬線、唐松線の周回ルートを何とか歩ききることができた。今年はトロッコ列車が欅平まで入れないため周辺の施設は休業しており、黒部市からは今年は利用を控えるようアナウンスがされていた。直前まで迷ったが、3日間晴天という予報や今までの準備に費やした時間を考えると、今しか行けないと思い実行することにした。

0日目:21:00にB府さんを溝ノ口でピックアップして、前泊地の道の駅 白馬を目指す。途中、中央道で事故渋滞があり、現地には2:00頃に到着。明日は5:00からリフトが運行されるようなので、4:00起きで5:00前に現地着とした。

1日目:こんな早くから人がいるのかな・・・・と思って行くと、駐車場は相当数の車で埋まっており、リフト乗り場にもすでに行列ができていた。結局リフト乗車まで40分ほどかかった。2本目のリフトは7:30から運行とのことで、歩いて八方池山荘を目指す。八方尾根はスニーカーで来ている観光客も多かった。天気も良く、素晴らしい景色の連続で、度々写真を撮るために足をとめながら登っていく。

唐松岳山頂までは人が多かったが、不帰嶮にはいると一気に人がまばらになった。岩場は高度感はあるが、ステップも鎖もしっかりしており、それほど気を使うところは無かった。一旦、鞍部まで下り、次に天狗の大下りを登ることになる。

ザレた急登と鎖場が1時間ほど続く、その後も天狗ノ頭までは登りが続き、もう勘弁して・・という頃に天狗山荘が見えてくる。14:30に天狗山荘到着。既に小屋の営業は終了しており、水場もトイレも使えないため、水とビールは下から担ぎ上げる必要がある。テントを設営し、早々に飲み始める。夕方には10張り程度になっていた。

2日目:4時起床、5時出発。今日は下りしかないので気が楽だ。朝一に白馬鑓ヶ岳を登り、杓子岳はパスして、清水尾根分岐にザックをデポして、白馬山荘にいってトイレを借りて、水を2L補充する(100円/L)

9時過ぎに清水岳(しょうずだけ)にむけ出発!軽装でピストンする登山者5人ほどとすれ違う。よく整備された穏やかなアップダウンのあるルートを快適に歩く。途中、ビバーク適地も数か所あった。

不帰岳避難小屋は既に閉められており、中には入れなかったが、小屋からすぐの場所に水場もあり、とても冷たくて美味しかった。ここで宿泊しても良さそう。

小屋から下は沢沿いをトラバースするように道が付けられており、足元が崩れやすく、なかなかの悪路だった。流れ込みを徒渉するようなところも数か所あり、最終的には祖母谷に河原に降り、そこから河原歩きをへて、林道へと続いていく。難しいところはないが、非常に長いルートで小屋に着くころには17時に近くなっていた。休業中の祖母谷温泉小屋のテン場にテントを設営し、もしかしたら・・・と期待していた露天風呂だったが、当然のことながら3つある浴槽全てお湯が抜かれており、仕方なく河原に降りて温泉の湧いていそうな場所を探すことにした。

明るいうちに明日の登り口の下見もしなくてはいけないため、源泉探しに時間がかけらなかったが、なんとか川に温泉が噴き出している場所を見つけ、河原の石をどけて無理やり入浴した。こんなことなら源泉の場所をちゃんと調べてくればよかった・・短時間だったが、汗を流すととてもさっぱりして、今夜も鍋を作って夕食とした。昨日の稜線は火を焚いても寒かったが、今日はテント内で火を焚くと暑くて仕方がない。明日は行動時間も長いので、1時半起床、3時出発として早々に就寝した。

3日目:予定より少し早く2:45に出発。昨日、下見をしたところから唐松線のルートに入っていく。清水尾根より藪が酷く、踏み跡もかなり薄い印象。藪をかき分け、ライトで必死に踏み跡を探しながら進む。当初、祖父谷沿いを進むが、砂防ダム手前から南越沢に入る登り口が見つからず、30分ほど右往左往する。南越沢沿いも藪が酷く、沢から尾根に乗るルートが見つけられず、更に30分ほどロスする。南越峠への九十九折れの道に乗ってからは、明瞭な道になり、辺りも明るくなってきたのでほっとする。

南越峠まででくるのに4時間かかってしまった。今後、厳しい登りが待っているので、八方尾根のリフトの営業時間内に下山するのは、ほぼ絶望的となる。唐松岳頂上山荘に15時到着を目標とする。

餓鬼山避難小屋までは比較的、穏やかな道だが、餓鬼山山頂までは左右切れた瘦せ尾根の急登がひたすら続き、鎖場、ハシゴなどが連続する。餓鬼山山頂まで来るとちょうど中間地点となる。唐松岳まであと6キロ。平地で走ったら1時間足らずなのになんと遠いことか。大黒銅山跡まではひたすら下りとなり、そこから後立山の稜線まで再度登り返すことになる。大黒銅山跡の周辺にはきれいな木道が敷かれ、とても良い雰囲気だった。水場もあるようだ。

今回、熊との遭遇を警戒して歩いたが、大型動物が藪を走っていく音が3回、熊の糞を2回見た。その度に2人で笛を吹きまくっていた。九十九折れの歩きやすい道を上がり、2400mぐらいから岩稜のトラバースになり、主稜線がはっきりと見えてくる。高度感はあるが、危ういところには鎖が着けられており、慎重に歩けば問題ないルート。

唐松山荘で寛いでいる人から、我々が登ってくるのを見られながら、最後は山荘のテント場に詰め、16時過ぎに小屋に到着した。小屋から緊急連絡先に下山が遅れることを連絡して、30分ほど休憩し、コーラで完踏の祝杯を上げた。あとは、八方尾根を下るだけなので、4時間ほどで駐車場に到着することができた。

下山後は22時まで営業している十郎の湯で3日間の汗を流し帰京した。今回は3日間晴天に恵まれたのが何よりもラッキーだった。2日目、3日目は、我々と逆ルートを周回していたソロ登山者と交差したのみで、静かな山歩きを存分に楽しむことができた。

清水尾根は下部の沢沿いで危うい箇所がいくつかあるが、総じて素晴らしいルートだった。例年、刈払いが8月に入るので、暑くなくなってからが時期的にはベスト。栂池から入り白馬山荘1泊、祖母谷温泉にもう1泊で欅平から下山というのがおススメルートかな。

水平移動距離: 49.97km
最高点の標高: 2909m
最低点の標高: 755m
累積標高(登り): 5133m
累積標高(下り): 5133m


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