会津・窓明山~大戸沢岳

日時:2023年2月23日(木)~25日(土)

メンバー:Y村、A山、K田、M野、K藤、M原

【行程】
・2月22日(水)20時武蔵溝ノ口駅発=道の駅番屋着23時半(M原車、仮泊)
・2月23日(木)番屋発4:00=小豆温泉登山口5:30、6:10発-巽沢山8:20-家向山手前10:30-窓明山手前12:20(幕)
・2月24日(金)C.S.8::00-窓明山8:50、9:05-三岩岳12:00-1918m鞍部14:00(幕)
・2月25日(土)C.S.6:30-大戸沢岳7:50-尾根取付11:50-駐車場12:10

2/22、23

Y村さんから会津の丸山岳と聞いても、場所すら分からず国土地理院2万5千図の会津朝日岳の地図の南端にちょこっと載っているのを発見、小豆温泉から20km以上ありそうだった。金曜を休んで3泊の計画で、事前にY村、M原、K田の3名はスノーシューと聞いたので、長距離のラッセルを想定して、悩んだ末、MSRのスノーシューを購入した。1週間前までは天気予報が良くないので南ア白根三山などに変更案もあったが、入山後の計画変更も含めてそのまま奥会津に行くことになった。

M原車は水曜の20時に集合して道の駅番屋で車中泊することになり、K田さんと溝ノ口駅でピックアップしてもらう。東北自動車道を経て会津方面に入っても周囲の雪は少ない。23時過ぎに暗い道の駅に到着し、ザックは外に出して、車内に寝床を作る。M原さんが前の席で窮屈そうで申し訳なかったが、後部でゆっくりと眠れた。

Y村車は23時に東京を出たと聞いたが、翌朝3時過ぎにトイレから戻ってくると、Y村車が到着し座席で皆ぐったりと寝ていた。4時に起きて、荷物を詰めて朝食を摂り、計画書の通りに共同装備を振り分ける。今回は直前まで計画変更の可能性があったので、食糧はすべて個人装備で、それ以外の共同装備予め重量を目安に振り分けられていたので、積み忘れの心配が無くて良い。

小豆温泉の登山口(らしき道端)で車を降りて、Y村車を計画変更も想定して駒ヶ岳登山口の駐車場に移動させる。試しに雪面に乗ると表面はクラストしているが、膝までは潜る。80Lのザックをパックし、新品のスノーシューを履いて歩いてみると、大きさの割には足になじんで歩けそうだった。

6時過ぎに出発、道沿いから樹林の斜面に取付くが、何処がルートか判然としない。急傾斜を避けるように登っていくが、Y村さんが先導に出て僕らの1.5倍の速さで登っていく。先頭を交代しながらラッセルをしていくが、風も無く、気温もそれほど低くは無いので、先頭になると汗をかく。スノーシューは前足の沈み込みはワカンと大差無いが、そこに全体重を乗せてもそれ以上は沈まず安定しているので、重荷でもラッセルがしやすい。ただトラバースや藪があると取り回しに注意が必要だ。Y村さんやK藤さんのようなスピードは出ないが、先頭ラッセルが苦にならないのが良かった。

登山口から1時間ほどで1,000m付近、さらに1時間程で少し開けた巽沢山に着く。ここでM原さんが膝の不調で下山することになり、共同装備のフライをK田さんが引き取る。薄曇りの鈍色を背景に樹林越しに家向山から窓明山に繋がるなだらかな稜線が見える。家向山の左側の稜線に出ると展望が開け、会津の山並みが見える。

傾斜は最初の登りよりは緩くなっているが、前方の景色は進んでもあまり変わらない。前方の左手に三ツ岩岳らしい山容が見えてくると、やがて窓明山も見えた。ラッセルしながらの登りなので、汗をかいて、脱水状態になってしまい、段々スピードがおちる。
Y村さんからは12時までに窓明山に着かなければ手前で泊り、25日以降の天候悪化のため駒ヶ岳方面に計画を変更すると事前にお達しがあった。12時過ぎにまだ窓明山を登り切れなかったので、開けた稜線上にテントを設営する。テントを張り終えた頃に、後から二人スキーヤーが登ってきて、少し先に雪洞を作ると言っていた。まだ明るいテントで水作りをして、各自食事作り、個食だったがY村さんは一人鍋を多めに作って、皆にお裾分けしてくれた。M野さんが持参した貴重なビールが少しずつお裾分けされた。みな睡眠不足もあり、18時過ぎにはシェラフに入った。

2/24

6時起床、夜半は風がテントを鳴らす音で何回か目覚める。朝食も別々なので、個別ラーメンを作ったりと意外に時間が掛かる。今日は大戸沢岳の手前までの予定なので、出発は8時と遅めになる。上空には薄雲がかかり、はっきりしない天気だ。スノーシューで広い雪面を登っていくと、左手に昨日に二人組が作った無人の半イグルーが見える。ひたすら登っていくと、平たい窓明山山頂に着く。

ガスっていて展望なし、当初はここから北上して高幽山、丸山岳に行く計画だったが、三ッ岩岳に向けて南下する。下っていくと雲が切れて、三ツ岩岳が見えた。稜線の東側に雪庇が出ているが、西側は樹林があるので、稜線上が一番歩きやすいが、樹林に当たった風のせいで雪面に段差ができているところがあり、大きなところでは1m近くもあるため、時々、樹林側を縫わなくてはならないので、時間が掛かる。M原さんのワカンを借りたM野さんが、バンドが時々外れるので調整に苦労している。三ツ岩岳の登り斜面になると、雪面も安定して歩きやすくなる。

今日も気温は低くく無いので、先頭ラッセルの時はジャケットを脱ぐ。今日もY村さん、K藤さんはハイスピードで登っていくので、セカンドだとすぐ離されてしまう。三ツ岩岳の手前で北側の奥深くに丸山岳、その左手に八海山が見える。丸山岳へのルートは長そうで、2泊で行ける距離とは思えなかった。

三ツ岩岳に12時に到着、M野さんがワカンの不調もあり遅れる。さらに小ピークを二つ越して、大戸沢岳手前の1918mの鞍部に14時着、樹林寄りに整地しテントを設営する。西側に風除けのブロックも積んだ。翌日は荒天の予報だったので、大戸沢岳を越しておいた方が良かったかもしれない。夕食は自分はトマトソースのペンネパスタを作って食べる。今日もM野さんの貴重なビールが配給され、皆感謝。19時就寝、夜半に風が強まり降雪の音もする。寒さもありあまり良く眠れなかった。

2/25 5時起床予定だったが、Y村さんに4時半に起こされる。風が6時~8時は弱まるとの予報なので、早めに出発するとのこと。風が強く、雪も舞っていて、寒さが増す。テント撤収時に突風があり、とっさにポールを掴んだら、破損した。バラクラバ、ゴーグルと防寒装備で、大戸沢岳に登る。K田、K藤、A山で先導するよう、Y村さんから指示が出る。

霧もあって視界が悪いのに、ゴーグルの内側に氷が着いて、先行者がやっと見える程度。三ツ岩岳から先の地形図が無いので、時々スマホで位置確認をするが、先が読みにくい。何も標識の無い広い稜線に出ると大戸沢岳山頂とのこと、ここでY村さんから会津駒ヶ岳まで行くかどうか聞かれるが、強風に吹かれながらの稜線歩きは危険なので、このまま南側に伸びる大戸沢尾根を下ることにする。

下り始めの尾根も広く、先頭が苦労しながらルートを確認して進む。下り斜面も急で無ければスノーシューのエッジが効くが、バンドをきつく締めないと緩んで何度も外れるのが難点だった。Y村さんは早々にスノーシューを諦めて、クランポンで下る。尾根の方向を確認してからはコンパスで順調に尾根を辿って下る。
1524mのピークの手前から尾根が細くなったので、クランポンに履き替えて、倒木や岩場を過ぎると樹林の急下降になり、ラッセルや踏み抜きに苦労する。右手に尾根が見えてくると、取付きの雪原で先行していたY村さんがスノーシューに履き替えているのが見えた。そこから15分程で民宿の横に出て、林道を経て檜枝岐の駐車場に着く。迎えに来てくれたM原さんと2日振りに再会した。小豆温泉窓明の湯で温まり、ラーメンを食べて帰路についた。ひたすら雪の中を歩いた3日間、冬の奥会津の厳しさと魅力も感じた山行だった。


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