大峰奥駈道:ソロ山行

大峰奥駈道とは

標高1,200mから1,900mの山々が連なる大峰山脈の主稜線を通り、
吉野と熊野の二大聖地を結ぶ約100kmに及ぶ山岳道。
急峻な山岳は、我が国固有の信仰である修験道の最も重要な修行の場となっています。
修験道の祖とされる役行者が7世紀後半に開いたとされていて、山中には今でも75ヵ所の
「靡(なびき)」と呼ばれる行や礼拝のための場所が残されています。
また世界遺産に登録され、道中の最高峰は八経ヶ岳の1,915mです。
一般的には、5月3日の大峯山寺の戸開けから9月23日の戸閉めまでの間に歩くことが多く、
3月はまだ雪に閉ざされています。

【日程】2024年3月17日(日)~19日(火)

【メンバー】K藤

【行程】吉野山駅~山上ヶ岳~行者還岳~弥山~八経ヶ岳~天川川合

初日スタートは、天気曇でまだまま観光気分。
世界遺産の金峯山寺 蔵王堂(本堂)などを見学しながら、歩く。

吉野から山上ヶ岳までのイラストマップ。意外とアップダウンのある稜線を歩く。
前半はまだ緩やかで、山上ヶ岳を過ぎて弥山、最高峰の八経ヶ岳の辺りはなかなかハード。

左:洞辻茶屋内部  右:不動尊
道中には、何カ所も茶屋があり、営業中は賑わうようだ。ただ、3月時点は営業期間外のため、閑散としている。
到着は16時頃。昼前から雨が降っていたため、ここでテントを張ることも考えたが、
吹きさらしで寒いので、避難小屋まで歩くこととする。
またこの辺りから、修験道らしく、不動尊など信仰に関するものが増える。

初日の宿泊地となる小笹ノ宿避難小屋に到着。時間は17:35。なんとか明るい時間に到着できて良かった。
見た目はかなり悪いが、外にテントを張るよりは快適に過ごせる。
夜は凄い風が吹き、かなりうるさかったが、避難小屋まで頑張って歩いて良かった。

小屋内で、湿った中間着を干していたところ、翌日には完全に凍りついており、その後2日間溶けることはなかった。
着替えを持参したので事なきを得たが、反省点となった。

翌日出発し、一つ目の主なピーク。大普賢岳。写真だとわかりづらいが、立つのがやっとの強風。
なんとか歩けているので続行している。

程なくして、ケルン。大阪工業大学のワンゲル部の方の慰霊碑があった。
内容を読むと全く同じ行程。悪天候の為ここで亡くなったとのこと。
時期は5月なので現在よりも条件が良かったと思われる。この時点も強風で、何度も体を持って行かれそうになる。
エスケープも頭によぎったが、今のところコースタイム通りに歩けており、
体力面も問題ないため、このまま続行することにする。

時刻は16:30。今日の目的地である弥山に到着。
奇跡的に風が止み、視界が開けた。突然の晴れに喜ぶが、10時間以上強風にさらされていたので、
体は冷えきっている。
ゆっくり眺めたいが、早々に避難小屋に移動し、暖を取る。

弥山山頂直下にある、避難小屋。
小屋営業時は、宿泊場所として使っているようだが、営業外は避難小屋として解放している。
中も広く快適。非常に助かった。
ここまで誰にも会わなかったので、当然貸し切り。広々使わせて頂いた。すぐに食事を取り、早々に就寝。

最終日は、近畿地方最高峰の八経ヶ岳を踏んで下山。
避難小屋で十分休養を取ったので、体力気力共に十分。あとは下山するのみ。
下山は途中から樹林帯になり嘘のように風が止み、急に快適な山行となった。

麓で宿泊し、温泉に入り、観光して帰京。
帰りの飛行機も、強風で2時間ほど遅れた。今回はとことん風にやられた。
誰にも会わず静かな山行だったので、いろいろ考えながら歩けた。これが修行なのかもしれない。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA