公開夏山山行、鳳凰三山を歩く

日時:公開夏山山行  2022年7月23日(土)~7月24日(日)

大田山の会で年6回行っている公開山行の公開夏山山行を実施しました。

久しぶりの公開夏山山行、東京を土曜朝発で行ける南ア・鳳凰山とした。 7月の前の週は低圧帯や停滞前線が本州上空にできて全国的に天気が悪かったが、太平洋高気圧の勢力が回復し、この週末は好天が見込まれた。一般参加はYさんが来てくれた。初めてのテント泊山行で女性1名だったが、体力的な不安も無く、2日間歩き通してくれた。

■メンバー:A山(CL)、Y.N(SL)、S藤、E本、Y(一般参加)

■7月23日(土)
夜叉神駐車場9:15,45発-夜叉神峠10:51,11:00-杖立峠手前12:00-2309ピーク13:15-苺平14:00-南御室小屋14:30(テント泊)

Y.NさんにE本さん、Yさんのピックアップをお願いし、自分はS藤さんの車で5時半に自宅を出る。中央道の釈迦堂PAでY.Nさんに連絡を入れると、調布ICに入ったところとのことでこちらの方が1時間くらい先行していたが、夜叉神駐車場での合流なので先に出る。芦安の駐車場のところで係員に停められ、夜叉神駐車場は満杯なので、タクシーかバスで行くように指示された。仕方なく、芦安駐車場で、Y.N車を待つことにし連絡を入れたが応答が無く、小一時間もした頃にY.Nさんから夜叉神駐車場に入ったと連絡があり、空きスペースを押さえてもらって慌てて車で向かった。100台の駐車スペースはほぼ一杯だったが、無事駐車した。共同装備の仕分けをし、10時前に出発。Yさんは新調した60リットルのザックで余裕があったのでコッフェルとガス缶1個を入れてもらう。トップはE本、その後をY、Y.N、S藤、A山のオーダーで歩く。
登りでY.NさんがYさんに歩き方の注意をちょっとしたが、その後は殆ど問題無かった。夜叉神峠では上空に雲が掛かっていて北岳は見えなかった。樹林に入ると眠気を誘うよう単調な登りが続く。1時間ごとに休憩をとり、杖立峠、2309ピークと順調に歩き、苺平に14時到着。30分ほどで南御室小屋の赤い屋根が見え、小屋の前に出る。左手のキャンプ場はテント50張ほどでほぼ満杯。奥の方にやや傾斜しているがぎりぎり
ジャンボテントを張れる場所を見つけた。夕食はY.Nさんのフライパンメニューで屋外で焼き肉、ナス炒め、焼きそばとマメに調理をしてくれて、楽しく宴会をした。

①夜叉神峠へ出発

②夜叉神峠
③杖立峠
④南御室小屋
⑤水場横のクルマユリ
⑥居酒屋Y.N、開店
⑦ナス炒め

■7月24日(日)
出発4:21-薬師小屋5:28-薬師岳5:41-観音岳6:15-地蔵岳基部7:45、8:25-観音岳9:30-薬師小屋10:00、10-南御室小屋11:00(テント撤収)11:30発-苺平12:00-2309ピーク12:30-夜叉神峠13:55、14:15-駐車場14:57(下山)

3時起床、夜中に鹿の鳴き声で何度か起こされたので睡眠不十分。テントから出ると濃い霧でライトの灯りが陰る。E本さんのキムチ雑炊を食べて、4時過ぎに出発。ライトを着けて樹林の急登を進む。オーダーは昨日と同じ。森林限界に出ると、白根三山をはじめ南アの主稜線が朝日を浴びて眼前に広がる。右手奥には遠く北アルプスの稜線も見える。左手には雲海の奥に富士、さらに左手には八ヶ岳の先っぽだけが雲から黒
く見える。景色を楽しんで、砂払から薬師小屋に向かう。途中で砂地にタカネビランジがあちこちに咲いている。小屋から砂地を登ると薬師岳の岩峰と観音岳が見え、また展望が広がる。観音岳に6:15到着、甲斐駒ヶ岳の山頂も見える。登山者で賑わう山頂で記念撮影をする。Y.Nさんが地蔵まで行こうかと提案し、Yさんも行きたいというので、計画を変更し地蔵岳まで足を伸ばす。右手には雲海が広がり夏山らしい景色が続く。ゴロ石のルートを下り岩稜を赤抜沢ノ頭まで登り返し、砂地を下ると小さな地蔵が並ぶコルに出て、地蔵の基部に着く。オベリスクをバックに写真を撮り、暑さでバテ気味の自分以外は、オベリスクの岩場まで登りに行く。Yさんは岩場が登れて楽しかったようなので、良かった。再び観音岳を登り返し、薬師岳、薬師小屋を経て南御室小屋に戻る。薬師小屋でヤド番から燕山荘でコロナ感染が出て暫く営業休止という話を聞いた。キャンプ場はテントが殆ど無くなっていて、静かだった。撤収をして再び重いザックを背負って夜叉神に向かう。苺平から稜線に出ると雲が上がってきて、白根三山や仙丈ヶ岳のピークは見えなくなっていた。休憩の時にYさんがお菓子やチーカマを配給してくれるので、美味しく頂いた。杖立峠から細くなった樹林を登り返すとやっと夜叉神峠に着く。皆、小屋で冷えたジュースを調達していた。峠から最後の下りを歩くと15時前に駐車場に無事着いた。芦安の先の金山沢温泉(入浴料850円)で汗を流し、帰路に着いた。お天気にも恵まれ、Yさんも元気に歩き通せたのが何よりだった。


①雲海に沈む八ヶ岳
②白根三山
③薬師岳に向かう
④タカネビランジ
⑤観音岳に向かう
⑥薬師岳と富士山
⑦甲斐駒ヶ岳と地蔵岳(右側)
⑧地蔵岳オベリスクをバックに
⑨地蔵岳基部
⑩夜叉神登山口、お疲れ様でした。

参加者からの感想を掲載します。

今回大田山の会夏山縦走鳳凰三山に参加できて本当によかったです。登山前の説明会ではA山さん、Y.Nさん、S藤さんから登山用品の準備について詳しく教えていただき、無駄なくスムーズに準備を整えることができました。また、本番前のトレーニングについてアドバイスをいただいたおかげで、高尾登山を通して重い荷物を背負った場合の登山感覚を前もって知ることもできました。
当日鳳凰山を登り始めると、早速Y.Nさんが登る時の足の使い方を教えてくださり、足を出来るだけ疲れさせずに皆さんの登山ペースについて行くことができたので安心しました。E本さんのリードもさすがで、ちょうど良いペースで長時間の歩行も苦になりませんでした。
テント場での食事も楽しかったです。会話をしながら、Y.Nさんの調理で焼肉や色々な味付けの焼そばをいただきました。
翌朝早くに出発し、砂払岳でまだ空気が冷んやりしている中、朝日が雲海から昇る情景は、息を呑むほど神聖で美しいものでした。どこまでも美しい景色とこの時期咲き盛りのタカネビランジを見ながら長い稜線を歩き、あっという間に薬師岳、観音岳に着きました。この間、雲海から雲が昇る現象を見ることができたのも忘れられません。Y.Nさんの説明によると、それは日が昇り気温がだんだん高くなったために発生した
そうです。観音岳で素晴らしい景色を見て記念写真を撮り、十分達成感も味わい、休憩したらそろそろ下山かと思ったところでY.Nさんの提案で地蔵岳まで足を伸ばすことになりました。緩んでいた気を引き締めてE本さんの後を歩き、地蔵岳に到達できましたが、そこまで繰り返しの昇りと降りは本当に大変でした。しかし苦労した分、地蔵岳が目の前に現れた時の景色は一番素晴らしい景色に見えました。またY.Nさんのリードで、地蔵岳の大きな岩が積み重なる山頂の手前まで登り詰めることが出来たのが本当に楽しく、疲れが嘘のように消えました。
地蔵岳をからの帰り道はまたどっと疲れが出て、景色を見る余裕がなくなり、ひたすらE本さんの後ろを歩きました。下山は疲れが足と膝にのしかかりつらいものだったので、夜叉神峠の駐車場に着いた時の嬉しさはひとしおでした。帰りに温泉で疲れをとってリラックスしました。また食堂でそばを食べた時、A山さんから今回の登山全体についてお話がありました。登山前は皆さんが私の体力面を心配し途中で折り返す覚悟もあったそうですが、私は皆様のおかげで最後までついて行くことができ、これは自分でも驚きでした。
とても大変だったけれどとても素晴らしい2日間でした。大田山の会の皆さんにはたいへんお世話になりました。

本当にありがとうございました。

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