秋の北ア表銀座縦走

日時:2024 年10 月 9日~10月11日

メンバー:A山、K井、(元会員)A木

  • ルート:
    • 10/9 中房温泉6:40-合戦小屋9:35,10:00-燕山荘10:55,11:45-大下り頭12:45-切通岩14:25-大天荘
    • 15:13-大天井岳15:50-大天荘16:25(泊)/10/10小屋発5:50-赤岩岳手前8:30-西岳ヒュッテ9:25,45-水
    • 俣乗越10:50-ヒュッテ大槍13:00,50-槍ヶ岳15:17,50-ヒュッテ大槍17:00(泊)/10/11小屋発6:00-ババ平
    • 7:53-槍沢ロッジ8:24-横尾山荘9:45-徳沢園10:45-明神11:40-河童橋12:45-上高地温泉ホテル13:10(入
    • 浴)14:10-上高地BT14:30

10/9 北海道在住のA木さん(元会員)が槍ヶ岳・表銀座縦走に遠征してくるというので、小屋泊でK井さんと3人で行くことになる。小屋2泊と贅沢な計画だったが、夏シーズンは膝や足首を痛めたりと故障続きだったので、リハビリも兼ねて平日3日休暇を取っての山行となった。
前日8日、雨の中ザックカバーに傘で竹橋23時発の夜行バスに向かう。さすがに平日で9日も雨予報のためか人がまばらな毎日ビルのカウンターに3人で合流。A木さんは7日からK井さん宅に寄宿とのこと、久し振りの再会を祝す。中型バス1台、一人2座席と広く使えて快適、よく眠れる。明るくなり始めた6時過ぎに小雨の中房温泉に到着。僕らの他に4人ほど登山者が降りる。
小屋の前のテント下で、朝食を食べ、雨具を着て6時40分に出発。合戦尾根の最初の急登、K井さん、A木さんが身軽に登っていく後を、なぜか15kgもあるザックで離されないよう付いていく。先行の登山者を抜きながら、途中のベンチで暑くなってきたので雨具を脱ぐ。K井さんがキノコを見つけ、ハナイグチ、ホコリダケとポリ袋に入れていくので、これはいつ食べるのだろうかと思いながら観察する。3時間程で合戦小屋、ここから暫くで樹林を抜けるので雨具を着て、ガスの稜線に出る。傾斜の緩くなった尾根道を一登りすると赤い屋根の燕山荘の前に出る。
トイレ休憩も兼ねて、雨具と靴を脱いで小屋に上がる。ストーブのある喫茶室でコーヒーや豚汁を注文して、体を温める。スマホで雨雲レーダーを見ると、直に雨雲が抜けるようなので雨宿りを兼ねて長めの休憩をして、12時前に小屋を出る。蛙岩を通過して暫くすると下方のガスが切れて、やがて大天井岳が正面に見えるようになった。西側はまだ雲に覆われてはいたが、時折、大天井岳の右に槍のピークから北鎌尾根の黒い影が見え、振り返ると紅葉とハイマツの尾根の先に燕岳も見える。切通岩のハシゴを通過して、大天井岳のゴロ石のジグザク登りを1時間程がまんして登り切ると大天荘に15時過ぎに着いた。受付を済ませて寝棚に荷物を置くと、大天井岳まで往復、記念撮影もそこそこに寒いのですぐに小屋に戻る。談話室ではコンロを使って良いとのことで、K井さんがキノコ汁を作ってくれる。灰汁のせいかやや黒ずんだ汁を恐る恐るすすってみるが、ハナイグチはナメコのような滑りがあり、ケムリダケはあまり噛まずに飲み込んだが、体は温まった。念のため焼酎のお湯割りを消毒も兼ねて飲んでおく。17時半から食堂で夕食、小屋で初めて「肉か魚か」と受付で聞かれたので、皆、魚(鯖味噌)を注文したが、大きな切身で生野菜の付け合わせもあり、美味しかった。明日は晴れの予報なので、早めの行動とし、19時過ぎに布団に入った。

ハナイグチ(食)
蛙岩(ゲエロイワ)
大天井岳が見える
槍ヶ岳と北鎌尾根
燕岳(奥)と歩いてきた稜線
10/10 日の出と雲海

■10/10 4時過ぎに外に出て見ると星が見える。外気温は1℃、長袖のアンダーシャツとタイツを着る。5時に朝食、ワンプレートに生野菜も付いていて嬉しい。テルモスにお湯を入れて6時前に出発。陽が上るにつれ上空の雲がグレーから茜色に染まる変化を楽しむ。槍、穂高の稜線も紅く染まる。大天井岳のゴロ石の斜面を下っていくと、草の葉が霜で白くなっている。大天井ヒュッテから喜作新道に入ると草木は紅葉しはじめており、遠く見える北鎌尾根の山肌も岩稜と紅葉、ハイマツ等の緑と目を楽しませてくれる。登り下りと歩いていくと汗ばんできて、ジャケットもグローブも脱ぐ。稜線の先には前穂高があたかも稜線が続いているかのように遠く見える。やっと赤岩岳の分岐を越すと西岳ヒュッテに9時半に着く。東鎌尾根は初めてのK井さんとA木さんに「西岳のピークは?」と聞くと行かないと言う。青空も見えるようになり、槍ヶ岳に近づいているはずが、西岳を頂点に逆L字型に喜作新道と東鎌尾根が曲がっているので直線距離ではさほど近づいたように見えない。ここから東鎌尾根に入り、鎖場とハシゴの長い下りもあり、慎重に歩いていく。ナナカマドが赤く色づいていて、奥穂高の吊尾根や槍ヶ岳の岩稜とのコントラストが映える。1時間程で水俣乗越、ここから大槍ヒュッテまで300mの登り返しとなる。陽が当たると長袖では暑いくらいで、水補給に気をつけながら何度もニセピークを踏みながら、尾根にケルンが見えると大槍ヒュッテに13時到着着。岩稜の凹みに長屋状に造られた小屋で外見は小さく見えるが、入口に自炊場もある機能的な構造になっている。受付を済ませ寝棚に不要な荷物を置き、休憩後に槍に向かう。昨日から同じルートのソロのおじさんが食堂で「これから行くんですか?」と聞いてきたが、明日の上高地BT発のバスが15時なので、今日登らないと間に合わない。K井さんとA木さんは空身、自分だけザックで大槍を正面
に見ながら肩まで岩稜を登る。1時間程で肩に、山頂までのルートも先行者も無く鉄ばしごを登り15時17分、無人の山頂に着く。周囲はガスが上がってきたが、まだ青空が残り、初登頂のA木さんを祝福してくれる。記念撮影をして慎重に下山、肩でみかんを配給し、風が冷たくなってきた中を小屋まで急いで戻る。小屋では赤ワインを購入し祝杯を上げる。夕食はタンドリーチキンやぺぺロンチーノ、食前酒に白ワインも付いていて、これも美味しかった。A木さんが登頂記念に手ぬぐいを2種類購入していた。19時半に布団に入ったが疲れのせいか夜半に目が覚めて、風に吹かれる音を聞きながら寝付けなかった。

北鎌尾根から槍ヶ岳
喜作新道と奥穂高岳
東鎌尾根から、穂高連峰
槍ヶ岳が近づいてくる。
餓鬼岳、燕岳、大天井岳(右)
ヒュッテ大槍、到着!
目指せ、槍ヶ岳
祝! A木さん初登頂

■10/11 4時半起床、やや眠い。風音は止んでいたが外気温は0℃と寒い。朝食は鯖の切身やヒジキの煮物など、起き抜けでも食が進む。6時小屋発、陽が昇って、赤く染まった槍穂高の稜線が神々しく見える。槍をバックに記念写真を撮ってもらい、K井さんが先頭で槍沢を下る。沢側に入ると風もなく、日が当たるとヤッケや雨具は不要となりすぐに脱ぐ。コースタイムだと14時過ぎに上高地BT着なので、景色は見つつ口数少なく長い槍沢をせっせと下る。槍沢ロッジに8時半に着き、休憩後は先頭にA木さんが出ると、早足で下りはじめ時々小走りで付いていく。
横尾9時45分着、1時間半ほどコースタイムより早い。明日から3連休のせいか、大勢の登山者で賑わっている。K井さんがキノコ(食)を見つけては、ここは人が多いからダメねと残念そうにしている。徳沢園、明神と1時間刻みで良いペースで下ってきたが、明神の先が土砂崩れで通行禁止となっており、明神橋を渡り梓川右岸の遊歩道経由でとなっている。道が狭くアップダウンや木道もあり、上高地から登ってくる登山者や観光客とのすれ違いで、時間がかかる。涸沢からの道と合流、観光客でごった返す河童橋に13時前に到着。A木さんとK井さんが観光案内所で日帰り温泉を聞いてくると、ウェストン碑の先にある上高地温泉ホテルで入浴できるとのことだった。上高地には何回も来ているが、温泉があるとは初めて知った。20分ほど川沿いに歩いて、ホテルに着く。一人1,000円と高めだが、露天風呂もあり、3日分の汗を流す。田代橋を渡って上高地BTから毎日アルペン号の3列バスにゆったりと乗って、東京に20時過ぎに到着。
そばが食べたいとA木さんの提案で、八重洲地下の宮川でビールとそばで、3日間を楽しく振り返り、帰途に付いた。

赤く染まった槍ヶ岳
槍沢をひたすら下る。
横尾にて
上高地、お疲れやまでした。

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